頭皮のかゆみ・ふけ(脂漏性皮膚炎)
頭皮のかゆみとふけ、顔の赤み。くり返しやすい皮膚の炎症です。
頭皮のかゆみやふけは、乾燥によるもの、皮脂と皮膚の常在のカビが関係する脂漏性皮膚炎、シャンプーや毛染めによるかぶれなど、原因によって対処が変わります。頭皮、髪の生え際、眉のまわり、小鼻のわき、耳のうしろなど皮脂の多い場所に、赤みと黄色っぽいふけのような皮むけが出る場合は脂漏性皮膚炎の可能性があり、洗い方を見直したうえで、炎症を抑える塗り薬(ステロイド外用薬)や、カビを抑える塗り薬(抗真菌薬)で落ち着かせるのが一般的な治療です。洗い方と洗う回数を見直しても2週間ほどで良くならない、かゆみが強い、赤みやかさぶたがあるという場合は受診してください。毛染めのあとに顔やまぶたが大きく腫れた、息苦しさが出た、頭皮がジクジクして膿が出て発熱をともなうという場合は、その日のうちに受診してください。
こんな症状のとき
ふけは、皮膚の表面が入れ替わるときにはがれ落ちた角質で、誰にでも出るものですが、量が増えたり大きな塊になったりするときは、頭皮に何かが起きているサインです。細かく乾いたふけが多い場合は乾燥によるもの、黄色っぽくべたついたふけと赤みがある場合は脂漏性皮膚炎、シャンプーや毛染めを変えてから急に出た場合はかぶれ(接触皮膚炎)を考えます。かゆくて掻くと、さらに皮膚が荒れてふけが増える、という悪循環になりやすいのが特徴です。
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い場所に起こる湿疹です。頭皮、髪の生え際、眉と眉間、小鼻のわき、口のまわり、耳のうしろ、胸の真ん中などに、境目のはっきりしない赤みと、黄色っぽくべたついた皮むけが出ます。皮脂そのものが原因というより、皮脂を好む皮膚の常在のカビ(マラセチア)が増え、皮脂が分解されてできた成分が皮膚を刺激することが関係していると考えられています。体質の影響が大きく、良くなったり悪くなったりをくり返すのが特徴です。
季節の変わり目、睡眠不足、ストレス、飲酒、不規則な食事で悪化しやすく、逆に、洗い方を整えて治療を続けると落ち着いた状態を保ちやすくなります。長くつき合う皮膚の状態と考えて、悪くなったときに早めに手当てするのが現実的です。なお、皮膚に何も出ていないのに頭皮を含む全身がかゆいという場合は、乾燥のほかに内臓の病気が関係していることもあるため、受診して相談してください。
考えられる原因
皮脂の分泌と、皮膚の常在のカビ(マラセチア)
思春期以降は皮脂の分泌が増え、頭皮や顔の中心に症状が出やすくなります。誰の皮膚にもいるカビが、皮脂の多い環境で増えると、炎症のきっかけになると考えられています。
乾燥・洗いすぎ・洗い足りないこと
皮脂を落とさずにいると悪化し、逆に洗いすぎや熱いお湯、強くこすることで頭皮の水分が失われ、細かいふけとかゆみが出ます。
シャンプー・整髪料・毛染めによるかぶれ
製品を変えてから出た場合に考えます。毛染めでは、額や首、まぶたまで腫れることがあります。
汗と蒸れ、帽子やヘルメット
汗をかいたまま蒸れた状態が続くと、かゆみや炎症が起こりやすくなります。
生活の乱れ・季節の変化
睡眠不足、ストレス、飲酒、偏った食事が重なると悪化しやすくなります。汗をかく季節や、空気が乾燥する季節の変わり目に症状が動くこともあります。
受診の目安
- 市販のシャンプーや保湿剤を2週間ほど試しても良くならない
- かゆみが強く、掻いてしまって仕事や睡眠に差し支えている
- 赤み、かさぶた、ジクジクした部分がある
- ふけが多くて肩や襟に落ちる、ふけが厚く髪にこびりつく
- 顔の赤みが続き、化粧や髭剃りがしにくい。良くなってもすぐにくり返す
- シャンプーや毛染めを変えてから急に症状が出た、髪が抜ける量が増えてきた
- 皮膚に何も出ていないのに、頭を含めて全身がかゆい
対面の受診・救急が必要なサイン
- 赤みや腫れが急に体全体、または頭皮に広がってきた(その日のうちに受診)
- 患部や頭皮がジクジクして膿やかさぶたが広がり、発熱をともなう(その日のうちに受診)
- 毛染めのあとなどに、顔全体やまぶたが大きく腫れてきた(その日のうちに受診)
- 息苦しさ、のどの違和感、全身のじんましんをともなう(ためらわず119番)
- 薬を飲み始めてから全身に発疹が出た(薬を使うのをやめて、その日のうちに受診)
- 皮膚や白目が黄色くなり、全身がかゆい(早めに受診)
迷うときは、ためらわずに119番へ通報してください。
オンライン診療でできること
- 症状の出ている場所、ふけの性状、経過、使っているシャンプーや整髪料、毛染めをうかがい、原因の見当をつけること。頭皮や患部の写真は問診票からアップロードできます
- 医師が診察して、必要な場合に炎症を抑える塗り薬(ステロイド外用薬やローションなど頭皮に使いやすい形のもの)、カビを抑える塗り薬(抗真菌薬)、かゆみを抑える飲み薬を処方します
- 塗る量・回数・やめ方など、塗り薬の使い方をご説明します
- 洗い方、シャンプーの選び方、洗う回数、すすぎ方、乾かし方を一緒に整理すること
- 抜け毛や全身のかゆみが気になる場合、判断が難しい場合に、皮膚科での対面の受診や検査ができる医療機関をご案内します
オンライン診療ではできないこと
- 頭皮や皮膚を直接見て触れて確かめること。髪に隠れた部分は写真で分かりにくく、判断が難しい場合は対面の受診をおすすめします
- カビの感染かどうかを、皮膚や髪を少し取って顕微鏡で調べる検査
- かぶれの原因を調べる検査(パッチテスト)。皮膚に検査用のシールを貼り、数日かけて判定するため、対面の検査が必要です
- 頭皮を拡大して観察する検査や、抜け毛の原因を調べる検査
- 紫外線を当てる治療など、皮膚科の設備が必要な治療
受診の流れ
- 1
日時を選ぶ
空いている診察の日時から選びます。
- 2
症状を書く
症状を書き(選ぶこともできます)、お薬の受け取り方を選びます。
- 3
ビデオで診察
予約した時間に、5〜10分が目安です。
- 4
お薬を受け取る
処方せんは診察後すぐに電子で発行されます。お近くの薬局か、自宅・ローソンで受け取れます。
よくある質問
- ふけが多いだけでも受診してよいですか?
- 構いません。ふけが増える原因は乾燥のこともあれば、脂漏性皮膚炎やかぶれのこともあり、対処が変わります。赤みやかゆみをともなう、市販のシャンプーで良くならないという場合は、受診してご相談ください。
- シャンプーは毎日したほうがよいですか?
- 皮脂が多くてべたつく場合は1日1回を目安に、乾燥してふけが細かい場合は洗う回数を減らすなど、頭皮の状態で変わります。ぬるめのお湯で、爪を立てずに指の腹を使って洗い、すすぎ残しがないようにしてください。強くこすると皮膚が荒れて悪化します。
- ふけ用のシャンプーは使ってよいですか?
- 皮脂やカビが関係するタイプでは、市販のふけ用シャンプーが助けになることがあります。ただし、乾燥やかぶれが原因の場合は、かえって刺激になることもあります。2週間ほど試して変わらない場合は、使っている製品の名前が分かるものを手元に用意して、受診してご相談ください。
- ステロイドの塗り薬をずっと使ってよいですか?
- 医師の指示どおりの量と期間で使うことが大切です。顔は皮膚が薄く、長く使うと副作用が出やすい場所のため、良くなったら回数を減らす、カビを抑える塗り薬に切り替えるなど、段階を踏んで調整します。自己判断で使い続けず、経過を医師にお伝えください。
- 毛染めでかぶれたことがあります。もう使えませんか?
- 一度かぶれた成分は、次に使ったときにより強い症状が出ることがあります。同じ製品や似た成分の製品は避け、どの成分が原因かを調べたい場合は、検査ができる皮膚科での対面の受診をおすすめします。かゆみや炎症で一時的に抜け毛が増えることもありますが、抜け毛が続く場合は別の原因も考えられるため、ご相談ください。
このページの根拠
- 皮膚科Q&A「皮膚科領域の薬の使い方」(公益社団法人日本皮膚科学会)
- 皮膚科Q&A「痒疹(ようしん)・かゆみ」(公益社団法人日本皮膚科学会)
- 皮脂欠乏症診療の手引き 2021(日本皮膚科学会(皮脂欠乏症診療の手引き作成委員会)・日皮会誌 131(10), 2021)
各領域の医学会公式ガイドライン、および消防庁の救急相談プロトコルをもとに、当院医師が監修しています。
最終更新日: 2026-09-28