腹痛・おなかの痛み
痛む場所と、時間とともにどう変わったかが手がかりになります。
診療科:消化器内科
食べすぎや冷え、胃腸炎による腹痛は、数時間から1日程度で軽くなっていきます。痛みが6時間以上続いて弱まらない、だんだん強くなる、熱をともなうという場合は受診してください。おなかが板のように硬い、動くと激痛が走る、痛みで立っていられない、血便や黒い便が出るという場合は、すぐに救急外来を受診してください。
こんな症状のとき
おなかには多くの臓器があるため、腹痛の原因は幅広くなります。医師が手がかりにするのは、痛む場所、始まり方、時間とともにどう変わったか、そして食事や排便との関係です。
みぞおちからへその周りに始まった痛みが、数時間かけて右下腹部に移ってくるのは、虫垂炎で典型的な経過です。この動き方は、ご自身で気づける重要なサインなので、覚えておいてください。
痛みが強くなったり弱くなったりをくり返す(差し込むような痛み)のは、腸や胆管など管状の臓器が原因のことが多く、ずっと同じ強さで続く痛みは、炎症が広がっているサインのことがあります。
考えられる原因
感染性胃腸炎
下痢や吐き気をともなう腹痛。数日で軽くなることがほとんどです。
便秘・機能性の腹痛
排便で軽くなる、ガスが出ると楽になるといった特徴があります。ストレスと関係することもあります。
胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎
みぞおちの痛み。空腹時や食後に強くなる、胸やけをともなうといった特徴があります。
虫垂炎・胆のう炎・膵炎
痛む場所がはっきりしてきて、熱をともなうことが多いものです。放置すると重くなるため、手術や入院が必要になることがあります。
尿路結石・婦人科の病気
背中から脇腹にかけての激しい痛み、下腹部の痛み。女性では、月経周期との関係も手がかりになります。
受診の目安
- 痛みが6時間以上続き、弱まる気配がない
- 痛みがだんだん強くなっている
- 38度以上の熱をともなう
- 痛む場所が移動して、一か所に定まってきた
- 吐き気が強く、水分がとれない
- 体重が減ってきている、便が細くなった
- 妊娠している可能性がある
対面の受診・救急が必要なサイン
- おなかが板のように硬く、触ると激しく痛む
- 痛みで動けない、立っていられない
- 血便が出た、または黒いタール状の便が出た
- 吐いたものに血が混じっている
- 顔面が蒼白で、冷や汗が出ている
- 意識がもうろうとしている
- 男性で、睾丸の激しい痛みをともなう
迷うときは、ためらわずに119番へ通報してください。
オンライン診療でできること
- 痛みの場所・始まり方・経過をうかがい、様子を見てよいか、急いで受診すべきかを判断すること
- 胃腸炎や便秘など、対面の検査なしで対応できる原因への助言をすること
- 水分のとり方、食事の戻し方など、家での過ごし方をお伝えすること
- 対面での診察・検査が必要な場合に、どの診療科を受診すべきかをご案内すること
オンライン診療ではできないこと
- おなかを直接押して、どこがどう痛むかを確かめること。腹痛の診察でもっとも大切な部分であり、これは画面越しにはできません
- 血液検査、尿検査、腹部エコー、CTなどの検査
- 虫垂炎、胆のう炎、腸閉塞などの診断
- 点滴や、手術が必要な状態への対応
受診の流れ
- 1
日時を選ぶ
空いている診察の日時から選びます。
- 2
症状を書く
症状を書き(選ぶこともできます)、お薬の受け取り方を選びます。
- 3
ビデオで診察
予約した時間に、5〜10分が目安です。
- 4
お薬を受け取る
処方せんは診察後すぐに電子で発行されます。お近くの薬局か、自宅・ローソンで受け取れます。
よくある質問
- 痛み止めを飲んで様子を見てもよいですか?
- 原因がはっきりしない強い腹痛のときは、自己判断で痛み止めを続けるのは避けてください。痛みが隠れることで、受診のタイミングが遅れることがあります。特に、市販の解熱鎮痛薬の一部は胃を荒らすことがあるため、みぞおちの痛みには向きません。
- おなかを温めてもよいですか?
- 冷えや便秘による痛みでは楽になることがあります。ただし、炎症が起きている場合は温めることで悪化することもあります。痛みが強くなる、熱が出てきたという場合は、温めるのをやめて受診してください。
- 腹痛はオンライン診療で診てもらえますか?
- 経過をうかがって受診の要否を判断することはできますが、おなかを押して確かめる診察ができないため、原因の特定には限界があります。強い痛み、続く痛み、熱をともなう痛みの場合は、対面での受診をおすすめしています。無理にオンラインで完結させることはしません。
- 何科を受診すればよいですか?
- 多くの場合は内科または消化器内科です。下腹部の痛みで妊娠の可能性がある場合や、月経に関連する痛みの場合は婦人科、背中から脇腹の激しい痛みで血尿をともなう場合は泌尿器科が適していることがあります。
このページの根拠
- 救急車を上手に使いましょう ~救急車 必要なのはどんなとき?~(総務省消防庁・令和7年10月発行)
- 急性腹症診療ガイドライン2015(第Ⅲ章 急性腹症の定義)(日本腹部救急医学会ほか5学会・2015年3月)
- 大動脈瘤と大動脈解離(国立循環器病研究センター)
各領域の医学会公式ガイドライン、および消防庁の救急相談プロトコルをもとに、当院医師が監修しています。
最終更新日: 2026-09-28