吐き気・嘔吐
吐いたものの色と、頭やおなかの症状をあわせて見ます。
診療科:消化器内科
吐き気や嘔吐の多くは胃腸炎によるもので、半日から2日ほどで治まります。水分がまったくとれない状態が半日以上続く、吐いたものに血やコーヒーかすのようなものが混じる、24時間以上吐き続けるという場合は受診してください。激しい頭痛や胸の痛みをともなう嘔吐、意識がもうろうとする、おなかが硬く激しく痛むという場合は、すぐに救急要請をしてください。
こんな症状のとき
吐き気は胃腸だけでなく、脳、内耳、心臓、薬の副作用など、さまざまな原因で起こります。そのため、吐き気そのものより「ほかに何をともなうか」が判断の手がかりになります。
特に注意が必要なのは、激しい頭痛をともなう嘔吐と、胸の痛みや冷や汗をともなう嘔吐です。前者は脳の病気、後者は心臓の病気の可能性があり、どちらも急ぐ必要があります。いつから、どのくらいの回数吐いたか、下痢・熱・頭痛・胸の症状があるかを覚えておくと、診察のときに役立ちます。
吐いたものの色も情報になります。赤い血や、コーヒーかすのように黒っぽいものが混じる場合は、消化管から出血している可能性があります。緑がかった液体を吐き続ける場合は、腸の流れが止まっていることがあります。
吐き気があるあいだは、食事より水分を優先してください。食べられないこと自体より、水分がとれているかどうかが、受診を急ぐかどうかの分かれ目になります。無理に食べる必要はなく、吐き気が落ち着いてきたら、消化のよいものを少しずつ戻していけば構いません。反対に、少しずつ飲んでも吐いてしまう状態が続くときや、食べられない状態が長引いて体重が減ってきたときは、無理に続けずに受診してください。水分もとれない状態が続くと、点滴(血管から水分を補う処置)が必要になることがあり、点滴は対面の医療機関でしか受けられません。
考えられる原因
感染性胃腸炎
もっとも多い原因です。下痢や腹痛をともない、周囲に同じ症状の人がいることがあります。多くは数日のうちに落ち着いていきます。
食べすぎ・飲みすぎ、乗り物酔い
きっかけがはっきりしていて、短時間で治まるのが特徴です。同じことをくり返すたびに起こる場合は、きっかけを避けられないか考えます。
めまいをともなうもの(内耳の不調)
ぐるぐる回るめまいと一緒に強い吐き気が出ます。頭を動かすと悪化するのが特徴です。
薬の副作用・妊娠
新しく飲み始めたお薬のあとに始まった吐き気は、副作用の可能性があります。この場合は、まずそのお薬を出した医療機関にご相談ください。相談できないときは内科でも構いません。女性では妊娠の可能性も確かめる必要があります。
頭や心臓の病気
くも膜下出血や脳の腫れ、心筋梗塞でも嘔吐が起こります。頭痛や胸の痛み、冷や汗をともなうのが特徴です。
受診の目安
- 水分がまったくとれない状態が半日以上続いている
- 24時間以上、吐き気が治まらない
- 半日以上、尿がほとんど出ていない
- 強い腹痛をともなう
- 新しく飲み始めた薬がある
- 妊娠している可能性がある
- くり返し吐いていて、体重が減ってきている
対面の受診・救急が必要なサイン
- 吐いたものに血、またはコーヒーかすのような黒いものが混じる
- 激しい頭痛をともなう
- 胸の痛みや圧迫感、冷や汗をともなう
- 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い
- おなかが板のように硬く、激しく痛む
- 手足の麻痺やろれつが回らない症状をともなう
- 頭を強くぶつけたあとの嘔吐
迷うときは、ためらわずに119番へ通報してください。
オンライン診療でできること
- 吐き気の経過と、ともなう症状をうかがい、緊急性を判断すること
- 脱水を防ぐための水分のとり方を、具体的にお伝えすること
- 飲んでいるお薬が原因になっていないかを確かめること(お薬手帳の写真は、問診票から送れます)
- 対面での検査が必要かどうかを見極め、必要な場合に受診先の種類をご案内すること
- 吐き気止めなどのお薬を使うかどうかを、医師が診察して判断すること
オンライン診療ではできないこと
- 点滴による水分の補給。吐いて水分がとれない状態では、これが必要になります
- 血液検査による脱水や電解質の確認
- 頭部CT・MRI、心電図などの検査
- おなかを押しての診察、胃カメラなどの検査
受診の流れ
- 1
日時を選ぶ
空いている診察の日時から選びます。
- 2
症状を書く
症状を書き(選ぶこともできます)、お薬の受け取り方を選びます。
- 3
ビデオで診察
予約した時間に、5〜10分が目安です。
- 4
お薬を受け取る
処方せんは診察後すぐに電子で発行されます。お近くの薬局か、自宅・ローソンで受け取れます。
よくある質問
- 吐き気があるとき、無理にでも水を飲んだほうがよいですか?
- 一度にたくさん飲むと、かえって吐いてしまいます。吐いたあとは少し時間をおいて胃を休ませてから、スプーン1杯程度の経口補水液(塩分と糖分を補えるように調整された飲み物)を数分おきに、というペースで始めてください。吐き気が落ち着いてきたら、少しずつ量を増やしていきます。それも吐いてしまう状態が半日続く場合は、点滴が必要なことがあるため受診してください。
- 市販の吐き気止めを使ってもよいですか?
- 乗り物酔いなど原因がはっきりしている場合を除き、自己判断での使用はおすすめしません。吐き気は原因を知らせるサインでもあるため、隠してしまうと受診の判断が遅れることがあります。吐き気止めを使うかどうかは、原因とあわせて医師が判断します。すでに市販薬を使っている場合は、種類と飲んだ時間を診察でお伝えください。
- 頭痛と一緒に吐き気があります。片頭痛でしょうか?
- くり返し起きていて、いつもと同じ痛み方であれば片頭痛のことが多くあります。ただし、突然始まった激しい頭痛にともなう嘔吐は、緊急の病気の可能性があります。「今までで一番痛い」と感じる頭痛であれば、様子を見ずに救急要請をしてください。吐き気が強くて飲み薬をのめないときも、対応を含めてご相談ください。
- 何科を受診すればよいですか?
- 吐き気と一緒に何が起きているかで選びます。下痢や腹痛をともなう場合は内科・消化器内科です。ぐるぐる回るめまいをともなう場合は耳鼻咽喉科、新しく飲み始めたお薬のあとから始まった場合は、そのお薬を出した医療機関(相談できないときは内科)です。激しい頭痛、胸の痛み、冷や汗をともなう場合は、様子を見ずに救急外来を受診するか119番に連絡してください。迷うときは、まず当院でご相談ください。
- 妊娠の可能性があるときは、どうすればよいですか?
- 吐き気は、妊娠の初期に起こることもあります。妊娠の可能性がある場合は、診察のときにお伝えください。妊娠中や妊娠の可能性がある場合は、使えるお薬が限られることがあります。水分がとれない状態が続くとき、妊娠中の腹痛や出血があるときは、すぐに受診してください。
このページの根拠
- 救急車を上手に使いましょう ~救急車 必要なのはどんなとき?~(総務省消防庁・令和7年10月発行)
- 脳卒中の予防・発症時の対応(監修:日本脳卒中学会/協力:日本脳卒中協会)
- 急性心筋梗塞(国立循環器病研究センター 冠疾患科)
各領域の医学会公式ガイドライン、および消防庁の救急相談プロトコルをもとに、当院医師が監修しています。
最終更新日: 2026-09-28