下痢
大切なのは、下痢を止めることより水分を保つことです。
診療科:消化器内科
急に始まった下痢の多くはウイルスや細菌による胃腸炎で、2〜3日で治まります。この期間に一番大切なのは、下痢を止めることではなく、水分と塩分を切らさないことです。水分がとれない、尿がほとんど出ない、血便が出る、38度以上の熱が続く、下痢が2週間以上続くという場合は受診してください。ぐったりして立てない、意識がはっきりしないときは、すぐに救急外来を受診してください。
こんな症状のとき
下痢は、体が有害なものを早く外に出そうとしている反応でもあります。そのため、感染性の胃腸炎で下痢止めを使って無理に止めると、かえって回復が遅れることがあります。
本当に危ないのは下痢そのものではなく、それによる脱水です。特にご高齢の方や小さなお子さんは、短時間で脱水が進みます。トイレの回数より、尿が出ているかどうかを見てください。半日以上ほとんど尿が出ていなければ、受診の目安になります。
水だけを大量に飲むと、体の塩分が薄まってしまいます。経口補水液や、薄めのスポーツドリンクに少量の塩を足したものを、少しずつ、こまめに飲んでください。
考えられる原因
ウイルス性胃腸炎
ノロウイルス、ロタウイルスなど。吐き気や嘔吐から始まり、下痢が続きます。周囲に同じ症状の人がいることが多いのが特徴です。
細菌性胃腸炎・食中毒
カンピロバクター、サルモネラなど。特定の食事のあとに始まり、強い腹痛・発熱・血便をともなうことがあります。
薬の影響
抗菌薬(抗生物質)を飲んだあとの下痢はよくあります。飲み始めてから始まった下痢は、処方した医師や薬剤師に伝えてください。
過敏性腸症候群
検査で異常が出ないのに、腹痛と下痢や便秘をくり返す状態。ストレスや食事と関係することがあります。
炎症性腸疾患など
血便をともなう下痢が長く続く、体重が減る、夜間も下痢で目が覚めるといった場合。詳しい検査が必要です。
受診の目安
- 水分をとっても、すぐに吐いてしまう
- 半日以上、尿がほとんど出ていない
- 血便が出た、または便が黒い
- 38度以上の熱が1日以上続く
- 下痢が2週間以上続いている
- 海外から帰国して間もない
- 抗菌薬を飲み始めてから下痢が始まった
- 体重が減ってきている
対面の受診・救急が必要なサイン
- ぐったりして、立ち上がれない
- 呼びかけへの反応が鈍い、意識がもうろうとしている
- 唇や口の中がカラカラに乾いている、皮膚に張りがない
- 激しい腹痛をともない、おなかが硬い
- 大量の血便が出た
- ご高齢の方や小さなお子さんで、半日以上水分がとれていない
迷うときは、ためらわずに119番へ通報してください。
オンライン診療でできること
- 下痢の経過と全身の状態をうかがい、家で様子を見てよいか判断すること
- 脱水を防ぐための、水分と塩分のとり方を具体的にお伝えすること
- 食事の戻し方や、周囲にうつさないための注意をお伝えすること
- 飲んでいるお薬が原因になっていないかを確かめること(お薬手帳の写真は、問診票から送れます)
- 仕事を休むための診断書は、医師に伝えていただければ作成します(最終的な判断は医師が行います)。PDFで、診察当日にマイページから受け取れます
オンライン診療ではできないこと
- 便の検査による、原因となる細菌やウイルスの特定
- 血液検査による脱水や炎症の程度の確認
- 点滴による水分の補給。脱水が進んだ場合はこれが必要になります
- おなかを押しての診察、大腸カメラなどの検査
受診の流れ
- 1
日時を選ぶ
空いている診察の日時から選びます。
- 2
症状を書く
症状を書き(選ぶこともできます)、お薬の受け取り方を選びます。
- 3
ビデオで診察
予約した時間に、5〜10分が目安です。
- 4
お薬を受け取る
処方せんは診察後すぐに電子で発行されます。お近くの薬局か、自宅・ローソンで受け取れます。
よくある質問
- 下痢止めを飲んでもよいですか?
- 感染性の胃腸炎が疑われるときは、自己判断で強い下痢止めを使うのは避けてください。原因となるものを外に出すのを妨げ、かえって長引くことがあります。発熱や血便をともなう下痢では特に注意が必要です。
- 何を飲めばよいですか?
- 経口補水液がもっとも適しています。手に入らない場合は、薄めのスポーツドリンクや、湯冷ましに少量の塩と砂糖を加えたものでも構いません。一度にたくさん飲むと吐きやすいので、スプーン1杯ずつでも、数分おきにこまめに飲んでください。
- 食事はいつから戻してよいですか?
- 無理に絶食を続ける必要はありません。食べられそうなら、おかゆ、うどん、バナナなど消化のよいものから少しずつ戻してください。脂っこいもの、乳製品、アルコール、香辛料はしばらく控えます。
- 家族にうつさないためには何をすればよいですか?
- 石けんでの手洗いがもっとも効果があります。アルコール消毒だけでは十分でないウイルスもあるため、流水と石けんで洗ってください。タオルは共用せず、吐いたものや便を片づけるときは使い捨ての手袋とマスクを使い、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤を薄めたもの)で拭き取ってください。
このページの根拠
- 救急車を上手に使いましょう ~救急車 必要なのはどんなとき?~(総務省消防庁・令和7年10月発行)
- 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 ダイジェスト版(厚生労働省 健康・生活衛生局 感染症対策部・第四版)
各領域の医学会公式ガイドライン、および消防庁の救急相談プロトコルをもとに、当院医師が監修しています。
最終更新日: 2026-09-28