冷え(手足の冷え)
体質の冷えと、病気が隠れている冷えを分けて考えます。
手足の冷えの多くは、末梢の血のめぐりや自律神経の働き、筋肉量、生活習慣によるもので、体を温める工夫や運動で楽になることが多い症状です。一方で、貧血、甲状腺の働きの低下、糖尿病による神経の障害、動脈が細くなる病気などが隠れていることもあり、だるさ・体重の変化・歩くと足が痛むといった症状をともなう場合は、血液検査のできる医療機関での受診をおすすめします。片方の手足が急に冷たく白くなり、強く痛む、感覚がなくなるという場合は、動脈が急に詰まった可能性があるため、その日のうちに受診してください。
こんな症状のとき
冷えは、まわりの人が寒くない場所でも、手足や腰などが冷たく感じる状態です。体の中心の熱を保つために、手足の血管が縮んで血のめぐりが減ることが関係します。女性に多く、筋肉量が少ない、無理な食事制限をしている、睡眠不足やストレスが続いているといったときに強まりやすいとされています。
冷えは、それだけでは病気の名前になりません。ただし、冷えの背景に調べる価値のある状態が隠れていることがあります。だるさや動悸をともなうときは貧血、寒がり・体重の増加・便秘・むくみをともなうときは甲状腺の働きの低下、足のしびれをともなうときは糖尿病による神経の障害などを考えます。
急いだ対応が必要なのは、片方の手足だけに、急に冷たさ・白さ・強い痛み・感覚の鈍さが出た場合です。動脈が詰まった可能性があり、時間が経つほど回復しにくくなります。また、寒さや冷水に触れたときに指先が白から紫、赤へと色を変える現象(レイノー現象)をくり返す場合は、膠原病などが背景にあることがあり、検査ができる医療機関での相談をおすすめします。
考えられる原因
体質・生活習慣によるもの
筋肉量が少ない、運動の習慣がない、薄着、無理な食事制限、睡眠不足、ストレスなどが重なると、手足の血のめぐりが減って冷えを感じやすくなります。
貧血
血液が酸素を運ぶ力が落ちると、冷え、だるさ、動悸、息切れ、立ちくらみが出ることがあります。生理の出血が多い方では起こりやすく、血液検査で確かめられます。
甲状腺の働きの低下
甲状腺ホルモンが不足すると、全身の代謝が落ちて寒がりになり、だるさ、体重の増加、便秘、むくみ、皮膚の乾燥などをともなうことがあります。血液検査で調べられます。
動脈が細くなる病気・糖尿病による神経の障害
足の動脈が細くなると、足先が冷たく、しばらく歩くとふくらはぎが痛んで休むとおさまる、という症状が出ることがあります。糖尿病では神経の障害で、冷えやしびれを感じることがあります。
レイノー現象
寒さや冷水で指先が白くなり、その後、紫や赤に変わる現象です。くり返す場合は、膠原病などが背景にあることがあり、検査での確認がすすめられます。
受診の目安
- 冷えに加えて、だるさ、動悸、息切れ、立ちくらみがある
- 寒がりになり、体重が増えた、便秘やむくみもある
- 足先の冷えやしびれが続いている、糖尿病と言われている
- しばらく歩くとふくらはぎが痛み、休むとおさまる
- 寒さで指先が白く、その後、紫や赤に変わることをくり返す
- 足に、なかなかふさがらない傷やただれがある
対面の受診・救急が必要なサイン
- 片方の手足が急に冷たく白くなり、強く痛む、感覚がなくなった(動脈が詰まった可能性があります。その日のうちに受診してください)
- 手足の指が黒っぽく変色してきた
- 足の傷やただれが急に広がり、熱や赤みをともなう
- 寒い場所にいて、体が震え、受け答えがはっきりしない(低体温の可能性があります。すぐに119番に連絡してください)
- 胸の痛みや息苦しさ、冷や汗をともなう
迷うときは、ためらわずに119番へ通報してください。
オンライン診療でできること
- 冷えの出方や、ともなう症状をうかがい、体質によるものか、検査が必要な状態かを整理すること
- 手足の色の変化がある場合に、写真を問診票からアップロードしていただけます
- 貧血・甲状腺・糖尿病などの検査が必要かどうかを判断し、受診先の種類をご案内すること
- 運動、入浴、衣類、食事など、体を温めるための生活の工夫をお伝えすること
- 医師が診察して、必要な場合に漢方薬による対応を検討すること
オンライン診療ではできないこと
- 血液検査。貧血、甲状腺の働き、血糖の状態を確かめるのに欠かせない検査で、対面でしか行えません
- 足の脈に触れる診察や、手足の血流を測る検査
- 皮膚や指先の色の変化を、直接見て触れて確かめる診察
- 妊娠中・授乳中の方の診察。対面での受診をおすすめします
受診の流れ
- 1
日時を選ぶ
空いている診察の日時から選びます。
- 2
症状を書く
症状を書き(選ぶこともできます)、お薬の受け取り方を選びます。
- 3
ビデオで診察
予約した時間に、5〜10分が目安です。
- 4
お薬を受け取る
処方せんは診察後すぐに電子で発行されます。お近くの薬局か、自宅・ローソンで受け取れます。
よくある質問
- 冷えで受診してもよいのでしょうか?
- はい。冷えは生活の質に関わる症状です。とくに、だるさ・動悸・体重の変化・しびれなどをともなう場合は、背景に調べる価値のある状態が隠れていることがあります。症状の出方をうかがい、検査が必要かどうかを一緒に整理できます。
- 冷えに漢方薬は使えますか?
- 冷えの症状に対して、漢方薬が選ばれることがあります。体格や症状の出方によって向く処方が変わるため、医師が診察して、必要な場合に処方を検討します。ほかに飲んでいる薬がある方は、お薬手帳の写真を問診票から送ってください。なお、持病や飲んでいる薬を確認できない場合は、オンライン診療の指針により、処方は7日分までとなります。
- 自分でできる対策はありますか?
- ふくらはぎの筋肉を使うウォーキングやかかとの上げ下げ、湯船につかる入浴、首・手首・足首を冷やさない服装、バランスのとれた食事、十分な睡眠などがすすめられます。喫煙は血管を縮めるため、禁煙も冷えの対策になります。
- 冷え症は年齢とともに悪くなりますか?
- 年齢とともに筋肉量が減ると、熱を作る力が落ちて冷えを感じやすくなることがあります。一方で、年齢のせいと決めつけると、貧血や甲状腺の病気、動脈の病気を見逃すことがあります。冷え方が変わってきた、片側だけ強い、歩くと足が痛むといった変化があるときは受診してください。
このページの根拠
- だるい、疲れる(女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省研究班監修))
各領域の医学会公式ガイドライン、および消防庁の救急相談プロトコルをもとに、当院医師が監修しています。
最終更新日: 2026-09-28