膝・関節の痛み
膝や関節の痛みは、動かし始めの痛みか、腫れをともなう痛みかで分けます。
膝や関節の痛みでもっとも多いのは、加齢や体重、使いすぎで関節の軟骨がすり減る変形性関節症で、膝では動かし始めに痛み、階段の下りがつらくなるのが特徴です。筋肉を保つ運動や体重の管理が中心で、痛みが強いときは解熱鎮痛薬や湿布などの外用薬を使います。手がかりになるのは、痛む関節の数と左右差、腫れや熱をもっているか、朝のこわばりが30分以上続くかどうかで、複数の関節が左右対称に腫れる場合は関節リウマチなどを考え、血液検査や画像検査ができる医療機関での対面の受診をおすすめします。一つの関節が赤く腫れて熱をもち強く痛む、発熱をともなう、体重をかけられない、けがのあとに力が入らないという場合は、痛風や関節の中の感染の可能性があるため、すぐに受診してください。
こんな症状のとき
関節の痛みは、原因を絞るときにいくつかの見かたがあります。まず、痛むのが一つの関節か、複数か。次に、左右対称かどうか。そして、腫れて熱をもっているかどうかです。使いすぎや加齢による変化では、動かしたときに痛み、腫れや熱はあまり目立ちません。
膝は体重を支えながら大きく曲げ伸ばしする関節で、負担が集中しやすい場所です。中高年で多いのは変形性膝関節症で、立ち上がりや歩き始めに痛み、しばらく動くと楽になるのが典型です。進むと正座や階段の下りがつらくなり、膝に水がたまって腫れることもあります。若い方やスポーツをする方では、半月板や靭帯のけが、使いすぎによる腱の炎症が多くなります。ひねった・音がした、引っかかる、急にがくっと力が抜けるといった症状があるときは、画像検査での確認が役に立ちます。
見逃したくないのは、関節の中の炎症です。一つの関節が赤く腫れて熱をもち、じっとしていても強く痛む場合は、痛風や偽痛風のような結晶による炎症や、細菌による化膿性関節炎を考えます。化膿性関節炎は関節の破壊が進みやすく、入院での治療が必要になることがあるため、発熱をともなうときはとくに急いでください。また、複数の関節が左右対称に腫れ、朝のこわばりが30分以上続くときは関節リウマチなどの炎症性の病気を考えます。早い時期から治療を始めることが関節を守るうえで大切です。
考えられる原因
変形性関節症(変形性膝関節症)
加齢、体重、O脚、使いすぎなどの影響で軟骨がすり減ります。膝・股関節・手の指などに多く、動かし始めの痛み、階段の下りのつらさ、膝に水がたまる腫れが特徴です。
半月板・靭帯のけが、使いすぎによる腱や滑液包の炎症
ひねったり、着地に失敗したりして起こります。引っかかる感じ、急に力が抜ける感じ、腫れが数時間で出てくるといった症状が手がかりです。走る、しゃがむ、階段を使う動作のくり返しでも、膝のお皿のまわりや外側が痛みます。
痛風・偽痛風
尿酸などの結晶が関節にたまって強い炎症を起こします。足の親指の付け根や足首、膝が、数時間から1日で赤く腫れて熱をもち、触れるだけで痛むことがあります。
関節リウマチなどの炎症性の病気
手指や手首など複数の関節が左右対称に腫れ、朝のこわばりが長く続きます。だるさや微熱をともなうこともあり、早い診断と治療が大切です。
化膿性関節炎
細菌が関節の中に入って強い炎症を起こします。一つの関節が赤く腫れて熱をもち、動かせないほど痛み、発熱をともないます。急いで対応が必要です。
受診の目安
- 痛みや腫れが2週間以上続いている
- 複数の関節が左右対称に腫れている、朝のこわばりが30分以上続く
- 階段の下りや正座がつらくなってきた、ふたを開ける動作がつらくなった
- 膝に水がたまってきた感じがある、引っかかる、急にがくっと力が抜ける
- ひねったあとに腫れてきた
- 尿酸値が高いと指摘されたことがある
- 市販の痛み止めや湿布を続けて使っている、体重が減ってきた、微熱やだるさが続いている
対面の受診・救急が必要なサイン
- 膝など一つの関節が赤く腫れて熱をもち、強く痛む
- 関節の痛みに発熱をともなう
- 痛みで体重をかけられない、歩けない、関節をまったく動かせない
- けがのあとに関節が変形している、力が入らない
- ふくらはぎが赤く腫れて痛み息苦しさや胸の痛みをともなう、皮膚に紫色の斑点が広がる、意識がもうろうとする(119番に連絡してください)
迷うときは、ためらわずに119番へ通報してください。
オンライン診療でできること
- 痛む関節の数、左右差、腫れや熱、朝のこわばり、きっかけをうかがい、急いで対面の受診が必要かを一緒に確かめられます
- 腫れている関節の写真を、問診票からアップロードしていただけます。予約のあとはマイページからも追加できます
- 医師が診察して、必要な場合に、解熱鎮痛薬や湿布などの外用薬を処方します。これまでの病気や飲んでいる薬の情報が確認できない場合、初診のときと、初診からずっとオンラインで受診している方の再診では、処方は指針により7日分までです
- 体重の管理や、太ももの筋肉を保つ運動の考え方をご相談いただけます
- 整形外科やリウマチを診る医療機関など、受診先をご案内し、仕事を休む必要があるときの診断書を、医師が診察して必要と判断した場合に作成します
オンライン診療ではできないこと
- 関節を曲げ伸ばしして調べる診察や、腫れ・熱・水がたまっているかを手で確かめること
- レントゲン・超音波・MRIなどの画像検査
- 関節の中の水を抜く処置や、関節への注射
- 血液検査による尿酸値・炎症の値・リウマチの検査
- 装具の作製やリハビリテーション
受診の流れ
- 1
日時を選ぶ
空いている診察の日時から選びます。
- 2
症状を書く
症状を書き(選ぶこともできます)、お薬の受け取り方を選びます。
- 3
ビデオで診察
予約した時間に、5〜10分が目安です。
- 4
お薬を受け取る
処方せんは診察後すぐに電子で発行されます。お近くの薬局か、自宅・ローソンで受け取れます。
よくある質問
- 関節が痛いとき、温めるのと冷やすのはどちらがよいですか?
- 赤く腫れて熱をもっているときは、冷やすほうが楽になることが多いものです。反対に、動かし始めにこわばって痛む変形性関節症のような痛みでは、温めるほうが向いています。判断に迷うときや、冷やしても腫れが引かないときは受診してください。
- 膝や関節の痛みは何科を受診すればよいですか?
- けがや使いすぎ、変形による痛みは整形外科です。複数の関節が左右対称に腫れる、朝のこわばりが長いという場合は、リウマチを診ている医療機関での対面の受診をおすすめします。一つの関節が赤く腫れて発熱をともなうときは、その日のうちに受診してください。
- 膝が痛いとき、運動はやめたほうがよいですか?
- 腫れて熱をもっているときや、けがの直後は休めてください。一方、変形性膝関節症のような痛みでは、太ももの筋肉が落ちると膝への負担が増えるため、痛みの出ない範囲で続けられる運動がすすめられます。水中での歩行や、座ったまま足を伸ばす運動などが取り入れやすい方法です。サポーターは、外出時など必要な場面に絞るのが一般的です。
- 痛風の発作かもしれないときは、どうすればよいですか?
- 痛む関節を冷やし、動かさずに高くして休めてください。発作の最中に尿酸を下げる薬を新しく始めると、かえって痛みが強くなることがあるため、自己判断で薬を変えないでください。医師が診察して、必要な場合に炎症を抑える薬を処方します。以前に尿酸値を指摘されたことがある方は、その結果の写真を問診票から送っていただけると参考になります。
- 膝に水がたまったら、抜いたほうがよいですか?
- 水がたまるのは、関節の中で炎症が起きているサインです。抜くかどうかは、腫れの程度や原因によって変わるため、関節を診察できる整形外科での判断が必要です。水を抜く処置はオンラインではできないため、そのような状態と思われる場合は対面の受診をご案内します。
このページの根拠
- 痛風とはどんな病気?(公益財団法人 痛風・尿酸財団)
- 痛風発作の応急処置はどうするか?(公益財団法人 痛風・尿酸財団)
- 救急車を上手に使いましょう ~救急車 必要なのはどんなとき?~(総務省消防庁・令和7年10月発行)
各領域の医学会公式ガイドライン、および消防庁の救急相談プロトコルをもとに、当院医師が監修しています。
最終更新日: 2026-09-28