乗り物酔い
目と耳の情報のずれが原因。座る場所と備えで軽くできます。
乗り物酔いは、目から入る情報と、耳の奥にある平衡感覚の器官が感じる揺れの情報とがずれることで、吐き気や冷や汗、頭痛、あくびなどが出る状態です。進行方向を向いて座る、遠くを見る、換気をする、空腹や食べすぎを避けるといった備えで軽くできることが多く、必要に応じて乗り物酔いの薬を乗る前に使います。乗り物に乗っていないときにもめまいやふらつきが続く場合は、耳や脳の病気を考える必要があるため、受診してご相談ください。
こんな症状のとき
乗り物酔いは、動いている乗り物の中で、目で見ている景色と、内耳が感じ取る揺れや加速の情報が食い違うことで起こると考えられています。船や車、バス、飛行機のほか、映像を見ているときに起こることもあります。多くは乗り物を降りてしばらくすれば落ち着きます。
始まりは、あくびが増える、生つばが出る、顔色が悪くなる、冷や汗をかくといった変化で、そのあと吐き気や嘔吐、頭痛につながります。この最初のサインに気づいた時点で、遠くを見る、窓を開けて風にあたる、可能なら少し休むといった対応をとると、悪化を防ぎやすくなります。
睡眠不足、疲れ、空腹や食べすぎ、においの強い車内、読書やスマートフォンの操作は酔いやすくする要因です。また、「また酔うかもしれない」という不安そのものが酔いを強めることがあるため、備えをしておくことが安心につながります。くり返し乗ることで慣れていく方も多くいます。
考えられる原因
目と平衡感覚のずれ
もっとも基本的な仕組みです。車内で下を向いて読書やスマートフォンの操作をしていると、目は動かない文字を見ているのに体は揺れているため、ずれが大きくなります。
睡眠不足・疲れ・体調の不良
寝不足や疲れがあると、揺れに対する調整がうまくいかず、酔いやすくなります。かぜをひいているときや二日酔いのときも同じです。
空腹・食べすぎ、においや空気の悪さ
胃が空っぽでも、いっぱいでも酔いやすくなります。車内のにおい、換気の悪さ、たばこの煙も引き金になります。
不安・過去に酔った経験
また酔うのではないかという不安が、症状を強めることがあります。座る場所や薬の備えを決めておくと、不安が減って楽になることがあります。
内耳や脳の病気
乗り物に乗っていないときにもめまいやふらつき、耳鳴り、聞こえにくさが出る場合は、乗り物酔いとは別に、内耳や脳の病気を考える必要があります。
受診の目安
- 乗り物に乗っていないときにも、めまいやふらつきが続く
- 耳鳴りや聞こえにくさをともなう
- 以前は平気だったのに、急に酔いやすくなった
- 吐き気が強く、水分もとれない状態が続いた
- 仕事や通学に支障が出ている
- 市販の酔い止めを使っても、強い症状が続く
対面の受診・救急が必要なサイン
- ろれつが回らない、片側の手足に力が入らない(119番に連絡してください)
- ものが二重に見える、視野が欠けている
- 激しい頭痛や、今までで一番強い頭痛をともなう
- 立つことも座ることもできないほど強いめまいが続く
- 吐き気や嘔吐が続き、水分がとれず、尿が出ない
- 呼びかけへの反応が鈍い、意識がもうろうとしている
迷うときは、ためらわずに119番へ通報してください。
オンライン診療でできること
- どんな場面で酔いやすいか、ほかにめまいの症状がないかをうかがい、乗り物酔いとして備えてよいかを一緒に確かめられます
- 座る場所、姿勢、換気、食事のとり方など、酔いにくくする工夫をご相談いただけます
- 医師が診察して、必要な場合に、吐き気やめまいをやわらげる薬を処方します。これまでの病気や飲んでいる薬の情報が確認できない場合、初診のときと、初診からずっとオンラインで受診している方の再診では、処方は指針により7日分までです
- 飲んでいる薬との重なりや、眠気などの影響について確認できます
- めまいが続く場合に、耳鼻咽喉科など受診先をご案内できます
オンライン診療ではできないこと
- 眼振(目の細かい揺れ)の観察や、平衡機能の検査
- 聴力検査や、耳の奥を見る診察
- 頭部のCT・MRIなどの画像検査
- 点滴による水分の補充
受診の流れ
- 1
日時を選ぶ
空いている診察の日時から選びます。
- 2
症状を書く
症状を書き(選ぶこともできます)、お薬の受け取り方を選びます。
- 3
ビデオで診察
予約した時間に、5〜10分が目安です。
- 4
お薬を受け取る
処方せんは診察後すぐに電子で発行されます。お近くの薬局か、自宅・ローソンで受け取れます。
よくある質問
- 乗り物酔いを防ぐには、どこに座るのがよいですか?
- 揺れの少ない場所を選ぶのが基本です。バスや車では前寄りの席、電車では進行方向を向いた席、船では中央の低い階、飛行機では翼のあたりが揺れにくいとされます。進行方向を向いて遠くの景色を見ること、窓を少し開けて換気することも役に立ちます。
- 酔い止めの薬は、いつ飲めばよいですか?
- 多くの薬は、乗る前に飲んでおくことを想定して作られています。飲む時間や使える回数は薬によって異なるため、市販のものを使う場合は説明書を確認し、薬剤師にご相談ください。眠気が出ることがあるため、運転する方は使えない薬があります。
- 酔ってしまったときは、どうすればよいですか?
- 可能であれば乗り物を降りて、風通しのよい場所で横になるか、頭を動かさないように休んでください。ベルトや襟元をゆるめ、少しずつ水分をとります。吐いたあとは口をすすぎ、無理に食べないでください。吐き気が長く続き、水分もとれない場合は受診してください。
- 乗り物に乗っていないのにめまいがします。乗り物酔いですか?
- 乗り物酔いは、動いている乗り物の中で起こるものです。乗っていないときにもめまいやふらつきが続く、耳鳴りや聞こえにくさをともなうという場合は、内耳や脳の病気を考える必要があります。オンラインでご相談いただければ、症状をうかがって受診先をご案内します。
このページの根拠
- 救急車を上手に使いましょう ~救急車 必要なのはどんなとき?~(総務省消防庁・令和7年10月発行)
各領域の医学会公式ガイドライン、および消防庁の救急相談プロトコルをもとに、当院医師が監修しています。
最終更新日: 2026-09-28