味覚の異常
味が分かりにくい、変な味がする。薬や亜鉛、口の乾きを確認します。
味覚の異常には、味が分かりにくい、まったく感じない、何も食べていないのに苦味や金属のような味がするなど、いくつかの形があります。背景としては、亜鉛の不足、飲んでいる薬の影響、口の乾燥や舌の炎症、かぜなどの感染のあとの変化、においが分からないことによる影響などがよく挙げられます。2週間以上続く場合や、食事の量が減って体重が落ちてきた場合は、血液検査や口の中の診察ができる医療機関での受診をおすすめします。
こんな症状のとき
「味がしない」と感じるとき、実際には、においが分からなくなっていることが原因のこともあります。食べ物の風味は、舌で感じる味と、鼻で感じるにおいの組み合わせで成り立っているためです。かぜや鼻づまりのあとに味が薄く感じられるのは、この仕組みによるものです。
舌の側の原因としては、亜鉛の不足、口の乾燥、舌の炎症やカビ(カンジダ)の増殖、義歯や歯の治療の影響などがあります。また、多くの薬が味覚に影響することが知られており、新しい薬を始めてから、あるいは量が変わってから症状が出た場合は、薬との関係を確かめます。
そのほか、糖尿病や腎臓・肝臓の病気、貧血、強いストレスや気分の落ち込みが背景にあることもあります。原因によって対応が異なるため、まずは、いつから、どんな形の異常が、どんなきっかけで出たのかを整理することが出発点になります。
考えられる原因
亜鉛の不足
味を感じる細胞の入れ替わりに亜鉛が関わっているため、不足すると味覚の異常が起こることがあります。偏った食事、お酒の飲みすぎ、胃腸の病気などが背景になります。
飲んでいる薬の影響
多くの種類の薬で、味覚の異常が報告されています。新しい薬を始めた時期、量が変わった時期との関係を確かめることが大切です。
口の乾燥・舌の炎症
唾液が減ると味が感じにくくなります。口呼吸、加齢、薬の影響などが原因です。舌が白くなる、ヒリヒリするという場合は、カンジダや舌の炎症を考えます。
かぜなどの感染のあと
鼻づまりやにおいの障害にともなって、味が薄く感じられることがあります。多くは時間とともに戻りますが、長引く場合は耳鼻咽喉科での相談が必要です。
全身の病気・ストレス
糖尿病、腎臓や肝臓の病気、貧血、甲状腺の病気のほか、強いストレスや気分の落ち込みでも、味の感じ方が変わることがあります。
受診の目安
- 味覚の異常が2週間以上続いている
- 食事の量が減ってきた、体重が落ちてきた
- 新しく飲み始めた薬、量が変わった薬がある
- 口の乾きが強い、舌が白い、舌がヒリヒリする
- においも分かりにくくなっている
- だるさやむくみなど、ほかの症状をともなう
対面の受診・救急が必要なサイン
- 片側の顔がしびれる、動かしにくい、ろれつが回らない(119番に連絡してください)
- 食べ物や水を飲み込みにくい、むせるようになった
- 口やのどが急に腫れてきた、息が苦しい
- 発熱や強い口の痛みで、食事も水分もとれない
- 頭を打ったあとから、味やにおいが分からなくなった
- 意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が鈍い
迷うときは、ためらわずに119番へ通報してください。
オンライン診療でできること
- いつから、どんな形の異常が出ているかをうかがい、考えられる原因を一緒に整理できます
- 飲んでいる薬との関係を確認します。お薬手帳の写真は、問診票からアップロードしていただけます
- 口の乾燥を防ぐ工夫や、食事のとり方についてご相談いただけます
- 医師が診察して、必要な場合に、口の乾燥や舌の炎症に対する薬、亜鉛を補う薬などを処方します。これまでの病気や飲んでいる薬の情報が確認できない場合、初診のときと、初診からずっとオンラインで受診している方の再診では、処方は指針により7日分までです
- 耳鼻咽喉科や歯科など、受診先をご案内できます
オンライン診療ではできないこと
- 味を感じる力を調べる検査(味覚検査)
- 舌や口の中、のどの奥を直接見る診察
- 血液検査による亜鉛や貧血、血糖の確認
- においの検査や、鼻からの内視鏡
受診の流れ
- 1
日時を選ぶ
空いている診察の日時から選びます。
- 2
症状を書く
症状を書き(選ぶこともできます)、お薬の受け取り方を選びます。
- 3
ビデオで診察
予約した時間に、5〜10分が目安です。
- 4
お薬を受け取る
処方せんは診察後すぐに電子で発行されます。お近くの薬局か、自宅・ローソンで受け取れます。
よくある質問
- 味がしないのは、においが原因のこともありますか?
- あります。食べ物の風味は、舌で感じる味と鼻で感じるにおいの組み合わせでできているため、においが分からなくなると「味がしない」と感じることがあります。鼻づまりやかぜのあとに出た場合は、においの側の問題を考えます。長引く場合は耳鼻咽喉科での相談をおすすめします。
- 亜鉛のサプリメントを飲んでもよいですか?
- 亜鉛の不足が背景にあるかどうかは、血液検査で確かめるのが基本です。また、とりすぎると別の不調につながることがあり、ほかの薬の吸収に影響することもあります。自己判断で長く続けず、検査の結果をふまえて医師と相談しながら使ってください。
- 薬を飲み始めてから味が変わりました。やめてもよいですか?
- 自己判断で中止すると、もとの病気が悪くなることがあります。まずは、どの薬をいつから飲んでいるかを整理し、処方した医療機関か当院にご相談ください。診察のうえで、続ける、量を調整する、別の薬に変えるといった選択を医師が判断します。
- オンラインでは、味覚の異常にどこまで対応できますか?
- 症状の整理と、飲んでいる薬との関係の確認、口の乾燥への対応のご相談ができます。一方、味覚検査、口の中の診察、血液検査はオンラインではできません。これらが必要と判断した場合は、耳鼻咽喉科や歯科、血液検査のできる医療機関での対面の受診をご案内します。
このページの根拠
- 口・のどの症状(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・最終更新 2022年12月14日(「声がかれる」「せき・痰が出る」の項ほか))
- 救急車を上手に使いましょう ~救急車 必要なのはどんなとき?~(総務省消防庁・令和7年10月発行)
各領域の医学会公式ガイドライン、および消防庁の救急相談プロトコルをもとに、当院医師が監修しています。
最終更新日: 2026-09-28