腱鞘炎(手首・指の痛み)
使いすぎで起こる手首や指の痛み。休ませることが第一です。
腱鞘炎は、手首や指を動かす腱と、それを包むトンネル(腱鞘)がこすれて炎症を起こす状態で、親指側の手首の痛みや、指の曲げ伸ばしでの引っかかりとして現れます。もっとも大切なのは、原因となる動作を減らして休ませることで、これに湿布などの外用薬や、手首・指の固定を組み合わせます。赤く腫れて熱をもち発熱をともなう、指がまったく動かせない、手のしびれが強く感覚がなくなるという場合は、すぐに受診してください。
こんな症状のとき
腱鞘炎は、手や指の使いすぎで起こることが多い症状です。親指を広げたり手首を小指側へ倒したりすると、手首の親指側が強く痛むタイプ(ドケルバン病)と、指の付け根が痛み、曲げ伸ばしのときに引っかかったりはじけたりするタイプ(ばね指)がよく知られています。
パソコンやスマートフォンの操作、調理や育児、楽器やスポーツなど、同じ動作のくり返しが背景になります。ホルモンの変化が関係することもあり、妊娠中や産後、更年期の時期に起こりやすくなることが知られています。糖尿病や関節リウマチのある方でも起こりやすくなります。
治療の柱は、原因となる動作を減らすことです。痛みが出る動作を避け、サポーターなどで動きを抑え、炎症を抑える外用薬を使うと、多くは数週間かけて落ち着いていきます。休ませても軽くならない、引っかかりが強くなるという場合は、注射や手術といった対面でしかできない治療が必要になることがあるため、整形外科での受診をおすすめします。
考えられる原因
手や指の使いすぎ
同じ動作のくり返しで腱と腱鞘がこすれ、炎症が起こります。作業量が急に増えたとき、慣れない作業を始めたときに多く見られます。
ホルモンの変化(妊娠中・産後・更年期)
この時期は腱鞘炎が起こりやすくなることが知られています。赤ちゃんを抱く動作が加わることも重なりやすい理由です。
手根管症候群との重なり
手首の中で神経が圧迫される病気で、親指から薬指にかけてのしびれ、夜間や明け方に強まるしびれが特徴です。腱鞘炎と間違えられることがあります。
関節リウマチなどの病気
複数の指が左右対称に腫れる、朝のこわばりが長く続くという場合は、使いすぎではなく炎症性の病気を考えます。血液検査での確認が必要です。
化膿性の腱鞘炎
けがや傷から細菌が入って起こります。指が赤く腫れて熱をもち、少し動かすだけで激しく痛み、発熱をともなうこともあります。急いで治療が必要です。
受診の目安
- 痛みが2〜3週間続き、休ませても軽くならない
- 指の曲げ伸ばしで引っかかる、はじけるような動きが出る
- 朝に指がこわばって伸ばせない
- 複数の指や手首が左右対称に腫れている
- 手のしびれをともなう、夜や明け方にしびれで目が覚める
- 市販の湿布や痛み止めを続けて使っている
対面の受診・救急が必要なサイン
- 指や手首が赤く腫れて熱をもち、少し動かすだけで激しく痛む
- 手の痛みや腫れに発熱をともなう
- けがや刺し傷のあとに、急に腫れて痛みが広がってきた
- 手や指の感覚がなくなった、白く冷たくなった
- 指がまったく動かせない、力が入らない
迷うときは、ためらわずに119番へ通報してください。
オンライン診療でできること
- 痛む場所、動作との関係、しびれの有無をうかがい、腱鞘炎として様子をみてよいかを一緒に確かめられます
- 腫れている手や指の写真を、問診票からアップロードしていただけます
- 医師が診察して、必要な場合に、湿布などの外用薬や解熱鎮痛薬を処方します。これまでの病気や飲んでいる薬の情報が確認できない場合、初診のときと、初診からずっとオンラインで受診している方の再診では、処方は指針により7日分までです
- 作業の減らし方、休ませ方、サポーターの使い方をご相談いただけます
- 整形外科での対面の受診が必要かどうかをお伝えできます
オンライン診療ではできないこと
- 手首や指を動かして痛みの出る場所を確かめる診察
- 超音波やレントゲンなどの画像検査
- 腱鞘への注射や、手術
- ギプスや装具の作製、固定の処置
受診の流れ
- 1
日時を選ぶ
空いている診察の日時から選びます。
- 2
症状を書く
症状を書き(選ぶこともできます)、お薬の受け取り方を選びます。
- 3
ビデオで診察
予約した時間に、5〜10分が目安です。
- 4
お薬を受け取る
処方せんは診察後すぐに電子で発行されます。お近くの薬局か、自宅・ローソンで受け取れます。
よくある質問
- 腱鞘炎は、どのくらいで軽くなりますか?
- 原因となる動作を減らせたかどうかで大きく変わります。使う量を減らし、外用薬や固定を併用すると、数週間かけて落ち着いていくことが多いものです。反対に、同じ作業を続けていると長引きます。2〜3週間たっても変わらない場合は、整形外科での対面の受診をおすすめします。
- サポーターやテーピングは使ったほうがよいですか?
- 痛む動きを抑えられるため、作業中や就寝中に使うと楽になる方が多いものです。ただし、強く締めすぎるとしびれやむくみが出ることがあります。市販のサポーターを使う場合は、指先の色が変わらない程度のゆるさを目安にしてください。
- 温めたほうがよいですか、冷やしたほうがよいですか?
- 痛みが強く、腫れて熱をもっている時期は冷やすほうが楽に感じることが多く、痛みが落ち着いてきたら、温めて動かしやすくするのが一般的です。どちらでも痛みが変わらない、かえって強くなるという場合は、腱鞘炎以外の原因も考えて受診してください。
- 手のしびれもあるのですが、腱鞘炎でしょうか?
- 腱鞘炎そのものでは、しびれは主な症状になりません。親指から薬指にかけてのしびれ、夜や明け方に強まるしびれ、物をつまみにくいといった症状があるときは、手首で神経が圧迫される手根管症候群などを考えます。神経の診察や検査が必要になるため、整形外科での対面の受診をおすすめします。
このページの根拠
各領域の医学会公式ガイドライン、および消防庁の救急相談プロトコルをもとに、当院医師が監修しています。
最終更新日: 2026-09-28