尿もれ
尿もれはタイプによって対応が変わります。まず見分けから。
尿もれは、咳・くしゃみ・重い物を持ったときにもれるタイプ(腹圧性)、急に強い尿意が来て間に合わないタイプ(切迫性)、その両方が混じるタイプなどに分かれ、タイプによって対応が変わります。骨盤底筋のトレーニングや、水分・カフェインのとり方の見直しで改善することがあり、オンラインでも症状をうかがって相談できます。尿がまったく出ないのに少しずつもれる、下腹部が張って苦しい、急に足のしびれや力の入りにくさが出たという場合は、その日のうちに受診してください。排尿時の痛みや発熱、血尿をともなう場合も早めにご相談ください。
こんな症状のとき
尿もれ(尿失禁)は、自分の意思と関係なく尿がもれてしまう状態です。珍しいものではなく、年齢を重ねるにつれて増えます。恥ずかしさから相談しないまま過ごす方も多いのですが、タイプが分かれば対応できることが多い症状です。
見分けの手がかりは、どんなときにもれるかです。咳、くしゃみ、笑ったとき、重い物を持ったときなど、お腹に力が入ったときにもれるのが腹圧性です。出産や加齢で、膀胱や尿道を支える骨盤底の筋肉がゆるむことが関係します。一方、急に強い尿意が来て、トイレまで我慢できずにもれるのが切迫性で、過活動膀胱でよく見られます。
このほか、前立腺肥大症などで膀胱に尿が残り、あふれるようにもれる場合(溢流性)や、トイレまでの移動や衣服の操作が間に合わない場合もあります。もれる量やきっかけ、1日の回数を数日記録しておくと、受診のときに役立ちます。
考えられる原因
骨盤底の筋肉のゆるみ(腹圧性)
出産、加齢、体重の増加、慢性の咳や便秘などで、膀胱や尿道を支える筋肉がゆるみます。咳・くしゃみ・運動のときに少量もれるのが典型です。骨盤底筋のトレーニングが対応の柱になります。
過活動膀胱(切迫性)
尿が十分にたまっていないのに膀胱が勝手に縮み、急に強い尿意が来ます。我慢できずにもれることがあり、頻尿や夜間のトイレをともなうことが多くあります。
前立腺肥大症(男性)
尿の通り道が狭くなって膀胱に尿が残り、あふれるように少しずつもれることがあります。尿の勢いが弱い、出し切れない感じをともないます。
膀胱や尿道の炎症
膀胱炎などで膀胱が刺激されると、急な尿意やもれが起こることがあります。排尿時の痛み、濁った尿、血尿をともなうことがあります。
薬や生活の要因
利尿薬や一部の薬、カフェインやアルコールのとりすぎ、便秘などが、尿もれを起こしやすくすることがあります。
神経の病気
脳卒中、脊髄の病気、糖尿病による神経の障害などで、膀胱のはたらきの調節がうまくいかなくなることがあります。しびれや力の入りにくさをともなう場合は、早めの受診が必要です。
受診の目安
- 咳やくしゃみ、運動のときに尿がもれる
- 急に強い尿意が来て、トイレまで我慢できないことがある
- 尿もれが気になって、外出や運動を控えている
- 尿パッドや下着の交換が、1日に何度も必要になっている
- 尿の勢いが弱い、出し切れない感じをともなう(とくに男性)
- 排尿時の痛みや濁った尿、血尿をともなう
- 出産のあとから、尿もれが続いている
対面の受診・救急が必要なサイン
- 尿がまったく出ないのに、少しずつもれる、下腹部が張って苦しい(その日のうちに受診してください)
- 38度以上の発熱と、背中や腰の痛みをともなう
- 急に足のしびれや力の入りにくさが出て、尿もれや便のもれをともなう(背骨や神経の問題の可能性があります。すぐに受診してください)
- 血尿や、血のかたまりが出た
- ろれつが回らない、片側の手足に力が入らないなどの症状とともに、尿がもれるようになった(すぐに119番に連絡してください)
迷うときは、ためらわずに119番へ通報してください。
オンライン診療でできること
- どんなときにもれるかをうかがい、腹圧性・切迫性など、どのタイプが考えられるかを整理すること
- 骨盤底筋のトレーニングの方法と続け方をお伝えすること
- 排尿日誌(排尿の時刻と量、もれた回数、飲んだ水分を3日ほど記録するもの)の付け方をお伝えし、記録をもとにご相談いただけます
- 水分やカフェインのとり方、便秘への対応など、生活の中でできる工夫をお伝えすること
- ほかの医療機関の薬を飲んでいる方は、お薬手帳やマイナ保険証の薬剤情報で確認できれば、継続の処方を相談できます。日数は、オンライン診療の指針の範囲で医師が判断します
- 尿検査や残尿の測定が必要な場合に、泌尿器科など受診先の種類をご案内すること
オンライン診療ではできないこと
- 尿検査。感染や血尿がないかを確かめるのに必要な検査で、対面でしか行えません
- 超音波で膀胱に残った尿の量を測る検査
- 骨盤底の状態を確かめる内診や、前立腺の診察
- 尿が出なくなったときに、管を入れて尿を出す処置
- 妊娠中・授乳中の方の診察。対面での受診をおすすめします
受診の流れ
- 1
日時を選ぶ
空いている診察の日時から選びます。
- 2
症状を書く
症状を書き(選ぶこともできます)、お薬の受け取り方を選びます。
- 3
ビデオで診察
予約した時間に、5〜10分が目安です。
- 4
お薬を受け取る
処方せんは診察後すぐに電子で発行されます。お近くの薬局か、自宅・ローソンで受け取れます。
よくある質問
- 尿もれで受診してもよいのでしょうか?
- はい。尿もれは、生活の質に大きく関わる症状で、相談する方の多い症状でもあります。タイプが分かれば、骨盤底筋のトレーニングや生活の見直し、必要な場合の薬など、対応の道筋が立てられます。外出を控えるようになった、パッドの交換が増えたという段階で、ご相談ください。
- 骨盤底筋のトレーニングは、どのように行いますか?
- 肛門と膣(男性は肛門と尿道)をしめるように力を入れ、数秒保ってからゆるめる、という動きをくり返します。息を止めず、お腹や太ももに力が入らないようにするのがコツです。1日に数回、数か月続けることで効果が期待できるとされています。
- 水分を控えたほうがよいですか?
- 自己判断で控えすぎるのはおすすめできません。脱水や、かえって膀胱への刺激につながることがあります。カフェインやアルコールを控えめにする、外出前の時間帯だけ量を調節する、といった工夫のほうが現実的です。排尿日誌で飲んだ量と尿の量を確かめてから調整してください。
- 尿もれの薬は、オンラインで出してもらえますか?
- ほかの医療機関で処方されている薬は、お薬手帳やマイナ保険証の薬剤情報で確認できれば、継続の処方を相談できます。日数は、オンライン診療の指針の範囲で医師が判断します。新しく薬を始める場合は、尿検査や残尿の測定の結果が判断の助けになるため、医師が診察して、対面での受診をおすすめすることがあります。
このページの根拠
- 尿が近い、尿の回数が多い ~頻尿~(日本泌尿器科学会)
- 尿が残っている感じがある ~残尿感~(日本泌尿器科学会)
- オンライン診療の適切な実施に関する指針(厚生労働省・平成30年3月(令和8年4月改訂))
各領域の医学会公式ガイドライン、および消防庁の救急相談プロトコルをもとに、当院医師が監修しています。
最終更新日: 2026-09-28